山と温泉の旅 高柄山(旧矢野根峠から高柄山東尾根)
      
 
山行データ
歩行距離 7.8km
標高 733.2m
最大標高差 460m
 行動時間
日帰り 5時間15分
 
2012年5月13日(日)
犬嶋神社
1.6km 11:25

旧矢ノ根峠
0.9km 12:40

新矢ノ根峠
1.6km 13:25
14:20
高柄山
3.7km 14:40
16:40
犬嶋神社
 

 中央本線の上野原から大月にかけて、甲州街道の南側に道志山塊が連なっている。
 その中心を秋山川が分断していて、甲州街道と秋山川に挟まれた部分を秋山山稜と呼ぶらしい。ここには西の九鬼山から東は山梨百名山の高柄山まで、長い尾根が伸びている。
 1000m前後の低山だが、甲州街道に開けた集落から近い割には、なかなか静かな山深い雰囲気が味わえるようだ。

 先日、東の端の鶴島御殿山から高柄山に登ろうとしたが、意外に急峻な山道が続いているのに驚かされたものだ。このときは駐車場の時間の制約で高柄山までたどり着けなかったので、改めて登って見ることにした。

 前回は、高柄山の手前の新矢ノ根峠から、地図にはない東への尾根筋が伸びていて、なかなか気持ちよさそうな踏跡が続いているのが気になっていた。その先に旧矢ノ根峠がある。以前は旧矢ノ根峠から高柄山に登れたらしいのだが、ゴルフ場に分断されて廃道になり、新矢ノ根峠が開かれたのだそうだ。それを知って、旧矢ノ根峠にも訪れてみたくなっていた。

 地形図を見ると、旧矢ノ根峠からさらに田野入まで尾根が伸びていて、登山道はないものの歩けそうだった。さらに、高塚山から東に伸びる尾根も歩けそうだ。この二つの尾根をつなげて高柄山に登るループコースを歩いてみることにした。

 ここは尾根筋はよく踏まれているが、下りに使う場合は支尾根に引き込まれないよう注意が必要だ。また取りつき付近は道を失いやすく、地形図とコンパスは必携である。


 

田野入集落の少し先、犬嶋神社から尾根に出られるという噂なので、まずは車でそこへ向かう。
神社の横には小さな駐車スペースがあったので、そこを借りて出発の準備を整えた。
神社の裏の階段を登る。
階段の上から神社を見下ろす。
この辺は落合集落になるのだろうか。
一軒家がいくつか並んでいる。
のどかな雰囲気の街だ。
階段の先には誰かが整備したかのようなしっかりとした道が続いていた。
その道も少し行くと不明瞭になり、ずるずると崩れる急斜面を登るようになる。もう少し東寄りの支尾根を登ればよかったのかもしれない。
尾根へ這い上がると、広くなだらかな尾根が続いている。地図に道がなくても誰かが整備しているようだ。
林の切れ目から上野原の街並みと中央高速が見える。ここまで来れば高速道路の騒音もほとんど聞こえない。近くではウグイスの声が響いて気持ちがよい。
細かいアップダウンを繰り返しながら尾根を西へと進む。出発してから1時間。このあたりが地形図の500m地点だろう。
今回は久々に地図読みの練習である。GPSはしまったまま地図とコンパスで現在地を確認しながら進んでいく。
500m地点からさらに鞍部へ進むと、そこが旧矢ノ根峠だった。左右に進む道があって十字路になっている。
右側のルートは閉鎖されていた。この先にはゴルフ場がある。昔は高柄山からこの旧矢ノ根峠を経てむじな沢に抜けられたのだろう。今はゴルフ場に阻まれて、御前山の中腹まで急登を登り返さなければならない。

ゴルフ場ができる前はどんなところだったのだろうか。今となっては知る術もない。
木々の向こうに高柄山が見えた。
新矢ノ根峠に到着。
ここから一般道を高柄山に向かう。
高柄山に到着。
最初に登ろうと思ったのが5年前だから、随分と時間がかかったものだ。
北側には上野原の街並みが広がる。
南側には丹沢の山々。
なかなかの展望だ。
もう2時半過ぎ。
早々に山頂を辞して東尾根へ向かう。
大地峠への道しか無いのかと思っていたが、金山集落へと降りるルートがあるようだ。
地図には載っていないが、東尾根へ明瞭な山道が延びている。
少し進むと道は右に分岐して下っている。
案内板が右に曲げられているから、金山に降りるルートだろう。ここはまっすぐに尾根通しに進む。


開けた場所に出ると丹沢への展望が広がる。
都心からさほど遠くないここでこんな景色が堪能できるとは。
急斜面が何度も現れる。
こんな急坂。
とてもまともには歩けない。
グリセードの要領でずるずると滑りながら降りていく。
尾根通しには進むなということか。
構わず進むとだいぶ道が荒れてきた。
ヤブをかき分けていくと、時折薄い踏跡に合流する。
そろそろ高柄山東尾根の末端のはずだ。
どの支尾根を下るか迷うが、川が合流した地点へ向かう北東の尾根を降りることにした。
川が見えてきたところで失敗に気がついた。
橋のあるところに降りなければ先へ進めないではないか。
急な斜面を登り返してしばし迷走しているうちに足を滑らせてあちらこちらをすりむいてしまった。
橋はなさそうなので、川の浅いところを狙って対岸へ渡る。
対岸にあるはずの道は高いところにあってなかなか登れない。けもの道を見つけて這い上がる。
もう一息。
どろだらけになってなんとか道路にたどり着いた。
のどかな落合集落を抜けて出発地点へと戻る。
最寄りの温泉は前回と同じ東尾垂の湯。
またここで汗を流させてもらって帰ることにした。

 
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